臨床血液
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症例
早期にバーキットリンパ腫型形質転換を示し高悪性度化した濾胞性リンパ腫
高橋 健原 武志吉川 武志下村 順子鶴見 寿山田 鉄也冨田 栄一森脇 久隆
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2005 年 46 巻 9 号 p. 1055-1059

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抄録

症例は51歳男性。平成12年8月両側頚部リンパ節腫大を主訴に受診。右頚部リンパ節生検にてt(14;18)(q32;q21)を有する濾胞性リンパ腫(Grade 2)(臨床病期IIIA)と診断された。当初無治療にて経過観察されていたが,6カ月後,骨盤内リンパ節腫脹に伴う水腎症を合併したため当科入院となった。CHOP療法4コースに加え,40Gyの放射線療法を施行し部分寛解を得た。治療開始後4カ月にてnumb chin syndromeを呈し,骨髄穿刺にてt(14;18)に加えてt(8;22)(q24;q11)を含む複雑核型を有するBurkitt型形質転換が確認された。急性リンパ性白血病に準じて救援療法を施行するも早期に再燃し,平成13年9月7日死亡した。濾胞性リンパ腫からの早期のBurkitt型形質転換は稀と考えられた。

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© 2005 一般社団法人 日本血液学会
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