臨床血液
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症例報告
汎血球減少症,徐脈,神経症状を呈した銅欠乏症
三木 浩和桑山 泰治原 朋子尾崎 敬治金崎 淑子吉田 智則新谷 保実宮 恵子後藤 哲也
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2007 年 48 巻 3 号 p. 212-216

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抄録

症例は48歳男性。中学生時から腸閉塞のため小腸切除を繰り返し,短腸症候群をきたしていた。2003年より在宅中心静脈栄養を開始。2005年12月に全身倦怠・歩行障害をきたし,近医を受診。胸部不快感・徐脈などを認め,精査加療目的で当院に救急搬送された。来院時,るいそうは著明で,四肢筋力低下を認めた。末梢血では汎血球減少を認め,ビタミンB12, 葉酸は基準範囲内であったが,銅3 μg/dl, セルロプラスミン3 mg/dlと低下していた。骨髄所見は正形成で,幼若顆粒球系の細胞質内に空胞を認めたが,芽球の増加や異形成はなかった。以上から銅欠乏症と診断し,微量元素製剤の投与を開始した。以後汎血球減少は改善し,心電図は正常洞調律となり,上下肢の筋力も回復した。本例は銅欠乏による汎血球減少に加え,徐脈・神経学的異常など多彩な臨床症状を呈した稀少な症例と考えられた。

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© 2007 一般社団法人 日本血液学会
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