臨床血液
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臨床研究
イトラコナゾール内用液と飲料(オレンジジュース)の同時服薬によるアドヒアランス向上への試み
足立 陽子角熊 俊也鏡 亮吾西尾 晃赤坂 浩司常峰 紘子小高 泰一平松 靖史多田 寛
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ジャーナル 認証あり

2010 年 51 巻 5 号 p. 315-319

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抄録

抗真菌薬“イトラコナゾール内用液”は,造血器悪性腫瘍患者に対して真菌感染症予防を目的に投与されるなど,その有用性が知られている。一方で,同薬には固有の苦味があり,服薬困難となってアドヒアランス低下につながるケースが散見されていた。そこで,今回われわれは,同薬をオレンジジュースと一緒に服薬する方法(オレンジジュース群)を考案し,薬剤吸収(血中濃度)および飲みやすさ(5段階味覚評価)への影響を検討した。その結果,水で服薬した場合(対照群)と比べて,オレンジジュース群の血中濃度に差異は無く,飲みやすさで改善が認められた。本法は臨床現場で簡便かつ安全に実施でき,服薬アドヒアランスの向上に期待できるものと考えられた。

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© 2010 一般社団法人 日本血液学会
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