2010 年 51 巻 5 号 p. 326-331
症例は83歳,女性。1ヶ月前から動悸,倦怠感が出現,近医にて白血球増加を指摘され,当科入院となった。入院時,末梢血白血球数は186,300/μlと著増し,幼若な芽球様好酸球が9割以上を占めていた。この好酸球はCD7/13/33/34/DR陽性,染色体は47,XX,+8であり,末梢血におけるFIP1L1/PDGFRα融合遺伝子は陰性であった。原病による胸水が進行性に増悪し,prednisolone (PSL)およびhydroxyurea (HU)を開始したが,効果は部分的であった。ステロイドパルス療法を施行後,さらにimatinib 100 mg/日を開始したところ,急激な好酸球の減少を認め,腫瘍崩壊に伴う急性腎不全及び凝固異常が出現した。人工透析,輸血など行なうも全身状態は悪化し,肺胞出血が出現,呼吸状態の悪化を来たし死亡した。