臨床血液
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臨床研究
血液疾患患者の血液培養から検出されたCoagulase-negative Staphylococciの臨床的意義:真の菌血症か単なる汚染か
池ケ谷 諭史岩崎 博道上田 孝典
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2010 年 51 巻 6 号 p. 398-401

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抄録

近年,血液疾患患者における血液培養検出菌として,Coagulase-negative Staphylococci (CNS)が著明に増加している。しかしCNSは皮膚の常在菌であるため,真の起炎菌か採血時のcontaminationか判定がしばしば困難である。そこで血液培養が採取されてから陽性となるまでの時間に注目し,起炎菌判定としてのマーカーになり得るかどうか検討を行った。対象は当院血液内科病棟入院患者23例である。起炎菌と判定されたのは17例(74%)で,contaminationと判定されたのは6例(26%)であった。血液培養陽性までの平均時間は,それぞれ13.9時間,45.3時間であった(p<0.005)。24時間をcut off値とすると,起炎菌のマーカーとしての感度は94%, 特異度は83%であり,今後有用なマーカーとなり得る可能性が示唆された。

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© 2010 一般社団法人 日本血液学会
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