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臨床血液
Vol. 52 (2011) No. 5 P 282-286

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http://doi.org/10.11406/rinketsu.52.282

症例報告

症例は26歳,女性。慢性骨髄性白血病慢性期の診断でイマチニブを開始し,経過中に急性転化期へと移行し,ダサチニブ併用化学療法で第2慢性期となった。ダサチニブによる維持療法中に発熱や下痢・下血を認めサイトメガロウイルス(CMV)アンチゲネミアが陽性となった。さらに回盲部の生検でCMV免疫染色が陽性であったことからCMV腸炎と診断し,ガンシクロビルによる治療を開始した。しかしCMV陰性化後も下痢・下血が持続し内視鏡検査所見からダサチニブによる出血性腸炎と診断した。ダサチニブ中止後は速やかに下血・下痢は改善し,ニロチニブに変更後も慢性期を維持している。本邦ではダサチニブ服用中の消化管出血の報告は欧米より頻度が低く,なかでも出血性腸炎の報告はまれである。本症例と同様にCD8陽性T細胞の腸管への浸潤を認める例が多く,ダサチニブによる出血性腸炎には何らかの免疫学的機序が関与している可能性がある。

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