臨床血液
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症例報告
ベンダムスチン単剤療法中にサイトメガロウイルス抗原血症をきたした難治低悪性度B細胞性リンパ腫の3例
三森 徹末木 侑希川島 一郎山本 健夫野崎 由美中嶌 圭桐戸 敬太
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2014 年 55 巻 2 号 p. 239-243

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抄録

Bendamustineは再発・難治低悪性度B細胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫に対して有用性を示す新規薬剤であり,rituximabとの併用により治療効果の改善が期待されている。Bendamustineを含む治療はCHOP療法と比較して重症感染の頻度が少ないとの報告が多いが,サイトメガロウイルス(CMV)感染を含む日和見感染の報告もみられる。今回,我々は,再発・難治の低悪性度B細胞性リンパ腫3例にBendamustine単剤療法を行い,3例にCMV抗原血症を認めた。いずれの症例も3コース目以降に認め,valgansiclovir投与にて改善した。Bendamustine単剤療法は再発・難治性低悪性度リンパ腫に対し,高い治療効果を発揮するが,CMV再活性化を引き起こすリスクがある。リスク因子は不明であるが,bendamustineを含む治療レジメンを行う場合は,十分注意する必要があると考えられる。

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© 2014 一般社団法人 日本血液学会
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