臨床血液
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症例報告
Imatinib中止後の再発にimatinibとIFNα併用療法を行い無治療で分子寛解を維持するBIM欠失多型のCML
片桐 誠一朗田内 哲三梅津 知宏齋藤 優勝呂 多光子浅野 倫代吉澤 成一郎北原 俊彦赤羽 大悟田中 裕子藤本 博昭岡部 聖一後藤 守孝伊藤 良和大屋敷 純子大屋敷 一馬
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2015 年 56 巻 2 号 p. 216-219

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抄録

症例は51歳,男性。20XX年発症の慢性骨髄性白血病(CML)の患者で,イマチニブ(IM) 400 mg/日で治療24ヶ月目に分子遺伝学的完全寛解(CMR)を達成した。3年間CMRを維持し,患者の希望によりIMを中止したが4ヶ月目に分子再発した。IM再開によりCMRを再達成し,さらに1年間IM 400 mg/日とIFNα 300万単位/週1回を併用した後,IMおよびIFNαを中止した。現在も未治療で24ヶ月以上経過しているが,分子再発を認めていない。本例はBIM欠失多型を有していた。BIM欠失多型はIM抵抗性を示し,中止後の再発に関与している可能性が考えられた。またIFNαの併用は免疫学的な効果が期待される。本例のようにIM中止後の再発例ではIM中止に向けたIFNα併用IMも選択肢と思われる。今後は前向き試験での検討を期待したい。

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© 2015 一般社団法人 日本血液学会
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