2015 年 56 巻 4 号 p. 400-405
症例は52歳女性。2012年11月にBJP-λ型多発性骨髄腫(MM)と診断。bortezomib+dexamethasone療法を施行したところ,6サイクル終了時点でvery good PRを達成した。診断6か月後に自家末梢血幹細胞移植を施行し,以後はstringent CRを維持していた。移植後9か月より慢性的な腹痛が出現し,自然軽快するという経過を繰り返した。移植後11か月で腸閉塞を発症,CTで小腸に多発性ポリープおよび小腸重積を認めた。保存的治療で軽快しないため小腸部分切除術が施行された。病理検査にて小腸の粘膜全層に異型形質細胞のびまん性の増殖および免疫染色にてCD138, CD79a, λ鎖の陽性を認めたためMMの髄外病変と診断した。MMが髄外病変として小腸にポリポーシスを伴うことは極めて稀であり,自家移植後の症例では初めての報告である。