2021 年 62 巻 5 号 p. 418-423
びまん性大細胞型リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)は臨床的,生物学的に非常に不均一な疾患単位であり,様々な分子遺伝子学的異常がその腫瘍形成に関わっていると考えられる。近年の遺伝子解析技術の進歩により,未知の遺伝子異常や遺伝子発現パターンが発見され,それらに基づく分子病態の解明と細分類化が進んでいる。これらはDLBCLにおける新規治療薬の発見や臨床試験の立案の際に重要な因子であり,今後の個別化医療の土台として臨床医も認識すべき点である。