2022 年 63 巻 2 号 p. 99-103
症例は81歳男性。3年前より関節リウマチに対しsalazosulfapyridine(SASP)を内服していた。2020年に両肺野に浸潤影を認め,CTガイド下針生検でびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の診断を得た。抗がん剤使用の同意を得られずother iatrogenic immunodeficiency-associated Lymphoproloferative Disorders(OIIA-LPDs)としてSASPを中止することとした。SASP中止を契機に両肺野の浸潤影は消退し,可溶性IL-2受容体は正常値となった。SASP中止により消退したDLBCLは報告がなく,極めてまれな症例を経験したので報告する。