2023 年 64 巻 1 号 p. 42-48
症例は75歳,男性。全身倦怠感,全身のリンパ節腫脹が出現し,当院に入院した。頸部リンパ節生検を施行し,CD5陽性CD10陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断し,MYCとBCL2発現を認めた。臨床病期はIV期,国際予後指標は高リスクと診断した。またMYD88L265P変異を認めた。R-THP-COP療法6コース施行後,部分奏効となったが4ヶ月後に再発した。救援療法と再発を繰り返し,診断から18ヶ月後に死亡した。病理解剖で全身のリンパ節,中枢神経,副腎および皮下へのDLBCLの浸潤を認めた。MYD88L265P変異を伴うCD5陽性CD10陽性DLBCLの報告は乏しく,貴重な症例であり報告する。