抄録
国産材の生産が増加し、持続可能な森林管理・経営の実現が求められるようになった今日では、所有権や森林経営の近代化、資本主義システムが林業をどのように変化させていくかといった林業経済研究の古典的なテーマに、新しい展開ができるのではないかと考える。国有林と森林組合についての研究が近年とぼしく、再論が求められるほか、「自伐」林業の評価をめぐっても林業機械の発展についての理解を深める必要がある。また森林法が生産のための法に変化し、林野所有問題にも踏み込む状況下でありながら、法制度についての研究は遅れており、土地法研究・法社会学研究との連携に新しい展開の可能性がある。これらを通じて、林業経済分野の歴史的役割を果たしうるのである。