林業経済
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森林GISのクラウド化に関する現状と展望(論文)
鹿又 秀聡
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2017 年 70 巻 7 号 p. 11-27

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抄録

森林GISとは、森林基本図や森林計画図、森林簿といった森林情報を基に構築したGISのことで、2010年にはすべての都道府県で導入されている。森林GISは市町村や民間事業体等への導入も期待されているが、人材不足やコストの面等から、困難なケースも多い。こうした課題の解決策の1つとしてクラウドコンピューティングの活用がある。本論では、林野庁事業「森林情報高度利活用技術開発事業」の事例を中心に、森林GISのクラウド化の現状及び普及に向けた課題や展望について検討を行った。その結果、1)森林GISのクラウド化に向けた標準仕様が作成され、多くの事例で採用されていること、2)従来型の森林GISと比較して、セキュリティを含めた技術的な面では問題がなかったこと、3)費用については、リプレース費用を除く維持管理費はクラウドの方が高額であったこと、4)クラウドを普及していくためには、ユーザーが要望するコンテンツが重要になること、等が明らかとなった。

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© 2017 一般財団法人 林業経済研究所
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