抄録
広葉樹は、近代の日本の林業の主流ではなかったため林業関係者の関心も低かったが、近年は、その資源活用が盛んに提起されるようになっている。本稿では、過去半世紀の広葉樹に関する議論の時代的な変化を、業界誌や公開されている行政資料などを利用して整理した。その結果、近年の広葉樹資源活用論は、広葉樹材の価格評価に注目する一方で、資源の持続的管理や、その技術的可能性についての認識と言及が不足していると考えられた。今後の広葉樹資源活用に関する議論や普及は、持続的な資源管理という原則を踏まえた、より丁寧なものである必要がある。