河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
VR技術を用いた河川水位予測情報の3次元表示に関する技術開発
諸岡 良優土屋 修一銭 潮潮竹下 哲也
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2022 年 28 巻 p. 37-42

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抄録

国の調査では,災害の切迫感や臨場感の伝達不足が適切な避難行動の妨げとなることが指摘されている.このため,国土技術政策総合研究所では,予備調査によりVR(仮想現実)技術が災害の切迫感や臨場感を高めて避難行動の促進につながることや,今後,DXにより3次元表示に必要な地形・画像データが入手可能となることを確認した上で,国において迅速な水防活動や避難促進を目的に運用されている「水害リスクライン」の追加機能として,河川水位予測情報の3次元表示技術を開発した.開発にあたっては,操作性を高めるために地形データ量を1/500程度に抑える工夫や,災害の切迫感・臨場感を高めるための各種エフェクトの追加を実施した.動作確認等の結果,開発した3次元表示機能は,CCTVカメラでは視認が 困難な夜間等でも水位情報の視認が可能となる利点がある一方,平常時でも洪水時のようなエフェクトが視認されること,予測と実態が乖離した場合の住民への影響等の課題があることが分かった.

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© 2022 土木学会
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