2022 年 28 巻 p. 403-408
本研究は,一宮川の内水流域である梅田川流域を対象に,比較的流域勾配が大きくかつ営農規模が小さな田んぼの流出抑制機構を解明するために現地観測を行うとともに,その効果を最大化する調節方法について検討を行った.また,現地観測から得られた知見を流域に拡張し,分布型流出氾濫モデルを用いて田んぼを活用した流出抑制効果について,地先から本川合流地点までの評価地点に対して整理を行い,一宮川の流域治水対策推進のための貴重な資料とした.なお,流域治水対策に関する円滑な合意形成を図るため,流域治水対策等の計画への反映や営農継続への課題等についても検討・整理を行った.