河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
航空レーザ測深データを用いた河道内樹木の体積の算出手法の検討
周 月霞戸田 祐嗣溝口 裕太手塚 透吾
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 30 巻 p. 647-652

詳細
抄録

河道内の植生管理や植生消長プロセスを検討する上で,樹木の高さ・胸高直径・体積・バイオマスといった植生情報を把握することは不可欠である.また,河川定期縦横断測量として実施される航空レーザ測深(以下,ALB)の点群データの活用による植生情報の効率的な取得に対する期待は大きい.樹木の体積やバイオマスの算出には,アロメトリー式が広く利用されるものの,必要な情報の一つである樹種をALB点群データから同定することは困難である.そこで本研究は,CloudCompareの体積算出のアルゴリズムを用いて点群データをボクセル情報に置換し,セル数から直接的に樹木群全体の体積を算出する手法と,相対的に正確な体積を算出できる地上3Dスキャナー(以下,3D-Scan)の点群データに基づき,ALB点群データによる樹木群体積を補正する手法を検討した.点密度の低いALB点群データでは,樹木群体積は過少に算出されるため,2.0~2.5を乗じて補正することで,3D-Scanの体積に近づくことが明らかになった.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事
feedback
Top