2022 年 2 巻 2 号 p. 75-87
筆者らは、鹿児島県に給源火山があり、縄文時代に本州の広い範囲に降灰した鬼界アカホヤ火 山灰を教材として、高校生向けの火山防災学習を兵庫県の高等学校で実践した。授業では火山灰 を観察させて、現代社会における大規模噴火の災害を予測させた。その結果、活火山から火山灰 が吹き流されることによる火山災害を認識する生徒をある程度増やすことができた。ただし、一 部の生徒は、それは近傍の火山によるものと考えており、活火山とそれ以外の火山の区別をして いないと考えられる。このことから、火山噴火に関する学習の改善が必要である。