抄録
近年、日本各地で自然災害が多発しており、災害が発生すると心にも大きな負担がかかる。中に
は長期間にわたり日常生活に影響を及ぼす人もおり、重大な課題と言える。しかし、防災教育の
重要性が見直されている中、水害教育においてはリスクを理解することに重点が置かれており、
災害後の気持ちについては十分に扱われていない。本研究では、高校生30名を対象に、災害発生
前後の状況に伴う自分自身の気持ちの浮き沈みについて、災害発生前に評価する教育を災害ケア
教育と位置づけ実施した。災害ケア教育の実施前と実施後に実施したアンケート調査から、高校
生に与える効果や影響について分析すると共に、生徒の進路や地域貢献の観点からも水害教育の
あり方について再考した。その結果、水害に対する意識変化とともに、災害につながりそうな雨
が降る際の行動意識にも効果が確認できた。また、進路という新たな視点も含め、自分たちにで
きることについても考えたことで、共助や地域貢献という思考を与えることも明らかとなった。