抄録
大学における第2外国語としてのフランス語教育は,特に教授法において豊富に議論されるが,評価の観点から議論されることは多くはない。このような背景から,評価方法の適切性について自問し,授業で設定した目標を尊重しながら試験方法をどのように選択するかについて考えることは無駄ではない。評価は授業のシラバスと内容とに直接的に関連している。また,評価は学習者のモチベーションに直接的に働きかけるものである。今回の調査では,対象を評価のうち試験に絞り,まず,質問票により学生が持つ試験像を捉え,そして,その試験像のどのような側面が学生の試験に対する好感度に結びついているかを探った。最後に,得られた結果から,より適切な評価方法の採用の可能性について検討する。