2018 年 13 巻 1-2 号 p. 195-211
日本の看板等に頻繁にみられる「街角のフランス語」(Paysage linguistique français, 以下PLF)をスマートフォンで撮影し,著者が自ら開発した地図上に他の利用者と共有 できるアプリケーション, Spotfrenchを利用し,なぜそれほどフランス語が多いのか, どういう誤用が多いのか,という議論へと発展させ,複言語主義と異文化間理解を促すフランス語教育に取り組んできた。また,収集された画像を使った文法学習教材も開発 した。
本パイロット研究では,教室内と教室外における,アプリケーションと文法教材の共同使用によって,70 名のフランス語初級学習者の,自律学習能力が向上し,フランス語への親近感が形成され,モチベーションが強化され,さらに異文化間理解が深まることを,実証した。
アンケートの結果の統計分析をみると,教室外で学習者が積極的に「街角のフランス語」に触れたいという意志が,期末筆記試験の成績に好影響を与えているなど,複文化・ 複言語への目覚めと関係していることなど,さまざまな面白い結果が観察できた。