Analyse des besoins du public estudiantin japonais en échange dans un établissement d’enseignement supérieur français : l’apport du FOU au FLE en contexte universitaire

抄録

本研究は，「特定目的のためのフランス語」（FOS）研究のヴァリエーションの一つである「学術目的のためのフランス語」（FOU）の研究分野に属すものである。本研究の目的は，フランスへの交換留学を目指す日本人学生の具体的なニーズを特定し，それに適した教育上の対応を提案することである。本研究では60人以上の学生から収集したデータを分析することで，言語に関するニーズだけではなく，大学のフランス語学習者すべてにかかわる学際的な知識・ノウハウ・対人スキルを特定した。そのうえで，FOS/FOUの問題提起の根底にある「必要性」「目的」「有用性」の概念を考慮し，日本の大学で提供されているフランス語の授業の内容と目的の一部について，さらには専門科目，とりわけ言語系ではない学部／学科の専門科目との連携について疑義を提起する。学生たちとそのニーズを出発点とするFOUのアプローチは学生たちのアイデンティティと専門性に関連した言語運用能力を伸ばすことを目的に，日本の大学においてフランス語教育及びフランス語学習を活性化するための考察の端緒を提供する。