抄録
本報告では,安全衛生管理を遂行する上で,本質的な作業であるリスクアセスメントやリスク低減措置などによるリスクマネージメントの基本的な考え方を説明した.リスクアセスメントの手続きは使用する製品や作業内容の特定,ハザードの同定,リスクの見積もりとリスク評価などのプロセスからなり,リスクが許容不可能な場合はリスク低減措置のプロセスが実施される.さらに,新規の開発や作業が開始される前にハザードやリスクを推定し検出する手法についても言及される.このような安全衛生管理の基本的な理論の源泉は人間工学に求められる.人間工学では人間優先で機器やシステム,作業環境,作業方法などを設計するという考え方に基礎を置いている.