2025 年 13 巻 2 号 p. 41-49
新生児集中治療室(neonatal intensive care unit: NICU)でのポータブルX線撮影では、保育器(以下「クベース」とする)のカバー越しに患児にX線を照射するため、複雑な散乱X線分布を呈すると予想される。防護策の検討には、各散乱X線源を特定する必要があるが、線量測定のみでは評価困難である。本研究では、自作の鉛製ピンホールカメラを用いたファントム実験にて、NICUでのポータブルX線撮影時の散乱X線源を可視化し、職業被ばく管理の適正化に資することを目的とした。患児ファントムに一次X線を照射し、介助者位置での散乱X線によるピンホール像を得た。患児ファントム以外に、クベースやX線管の面積線量計からも無視できない散乱X線が発生していることが確認された。また、線量測定により、クベース表面の高さ付近で散乱X線量が多いことが明らかとなったため、防護の最適化の観点で、介助者は当該位置に顔を近づけない、X線管の射出窓部へ防護カーテンを装着するといった対策が望まれる。