論文ID: RJ-12003
患者と医療スタッフの両者が放射線治療の概要や治療後の経過等を記録し、患者が所持して、“いつでも”、“どこでも”患者と医療スタッフの双方向の情報共有ができる「放射線治療手帳」を作成した。44名の放射線治療患者およびその患者にかかわる医療スタッフ43名を対象に作成した手帳を試用し、無記名自記式質問紙調査により手帳の改善点や有用性と利便性を検討した。「放射線治療手帳」の試用により、患者は「自分が受ける放射線治療の内容を十分理解することができた」「注意深く治療部位を観察する習慣がついた」と回答し、医療スタッフは「患者の記録が役立った」「患者への説明に役立った」と回答した。患者と医療スタッフ双方から放射線治療手帳の有用性が示唆され、患者中心の放射線治療を推進することにつながることを期待している。