抄録
2025 年 4 月 29 日に「血管炎セミナー2025」を国際血管炎研究・臨床のリーダーである David Jayne 先生を迎えて開催しました。
1994 年 Chapel Hill Consensus Conference(CHCC)で血管径による血管炎の分類から約 30 年経ち、小型血管炎の ANCA 関連血管炎(AAV)は、わが国では ANCA 測定の保険収載以降、AAV 特に MPO-ANCA陽性の顕微鏡的多発血管炎(MPA)が、難治性血管炎班、橋本博史班長(順天堂大学・名誉教授)、小林茂人(順天堂大学・名誉教授) 先生が中心になり、ケンブリッジ大学 David Jayne 先生との国際研究が行われ、現在宮崎大学医学部医療環境イノベーションの藤元昭一先生が報告 1)されました。早期に AAV が診断できるようになり治療も発展してきました。
このような経緯のもと、「LoVAS 試験の概要」2)を古田俊介(千葉大学医学部・アレルギー・膠原病内科)先生、「腎障害を伴う高齢 MPO 陽性 AAV の治療」を板橋美津世(東京都長寿医療センター・腎臓内科)先生、「PEXIVAS 試験と国際共同試験への日本からの参画」を猪原登志子(京都府立医科大学附属病院・臨床研究推進センター)先生、「PEXIVAS Post-hoc analysis 〜腎再発が長期的な腎機能に及ぼす影響〜」を内田梨沙(英国ケンブリッジ大学)先生に講演をしていただいた。まとめとして、「血管炎の国際研究交流への道筋 ―2002 年から今日へ―」を鈴木和男(千葉大学・災害治療学研究所、国立感染症研究所)先生に講演して頂いた。
最後に、「Consequences and co-morbidities of ANCA associated vasculitis」を David Jayne(英国ケンブリ ッジ大学)先生に特別講演いただいた。
本セミナーのビデオ記録をオンライン上で閲覧できる Web 雑誌「ROKiVA-Letter」に掲載することは、大変画期的なことであり、AAV を広く知って頂くきっかけになることを期待する。