2021 年 30 巻 4 号 p. 113-118
サツマイモは南九州や関東で重要な畑作物であるが,近年では北海道のような冷涼地でも商業栽培が増えつつある.しかし,サツマイモは生育期の低温に弱い作物でもあり,今後の生産拡大のためには低温耐性品種の育成が重要と考えられる.サツマイモの低温耐性を発根によって評価する場合には,15℃またはやや高い温度が重要と考えられる.低地温となる地域での圃場試験の結果から,低温耐性についての基準品種を選定し,それらを用いて低温耐性検定法を確立した.次いで,主に低地温検定装置により,幅広い遺伝資源のスクリーニングを実施し,有望系統を用いた交配を実施した.後代からは低温耐性で多収かつ品質特性が良好な有望系統を選抜することができた.今後は育成系統の品種化を進めるほか,一般の育種プログラムにおける交配親としての利用も重要となろう.