ミニライゾトロン用のチューブの埋設においては,チューブと土壌を密着させつつ,チューブ周辺土壌の攪乱を最小限にする必要がある.本研究では,日本で容易かつ安価に入手できる電動オーガーと鉄パイプのどちらが,土壌と密着したチューブの埋設に適しているかを,根系撮像装置で撮影した画像面積当たりの空気層面積割合から評価した.また,チェーンブロック,ジャッキ,パイプレンチのうちどれが作業労力を軽減し,チューブ周辺土壌の攪乱を最小限に抑えながら,チューブ埋設用の鉄パイプを引き抜くのに適しているのかを調べた.電動オーガー,もしくは,鉄パイプを使って埋設したチューブと土壌との空気層面積割合は,それぞれ18と2%であった.ハンドオーガーで鉄パイプ内の土壌を掻き出すことで,パイプレンチにより鉄パイプを一人で引き抜くことができた.また,パイプレンチは,チェーンブロックとジャッキに比べ小さいため,持ち運びが容易であり,省スペースで作業でき,チューブ周辺土壌の攪乱を最小限に抑えることができた.以上より,ハンマーとハンドオーガーで鉄パイプを埋設し,パイプレンチで埋設した鉄パイプを引き抜き,形成された穴にチューブを押し込むことで,作業労力を軽減し,チューブ周辺土壌の攪乱を最小限に抑えつつ,土壌とチューブを密着できることがわかった.