根の研究
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短報
疎植ペースト2段施肥栽培における水稲の根系構造の変化
松波 麻耶佐々木 周平渡邉 洋一新妻 和敏松波 寿典
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2024 年 33 巻 2 号 p. 58-60

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抄録

緩効性肥料の代替技術である疎植ペースト2段施肥栽培における東北地域の水稲品種の根系構造を調査した.山形県で栽培した 「はえぬき」 と福島県で栽培した 「天のつぶ」 は,いずれもペースト深層施肥位置において根が増加し,根直径別の解析により側根が有意に増加したことが示された.水管理が根系分布に及ぼす影響を調べるために岩手県で栽培した 「あきたこまち」 では,同じペースト2段施肥栽培においても,長期落水処理をした場合に下層根が慣行の水管理と比べて増加した.以上の結果から,ペースト2段施肥栽培した水稲が無追肥でも収量性を維持する要因の一つとして,深層で長期に肥効が続くペースト施肥位置に,イネが側根を集積させることで生育後半までの養分供給を維持するためであることが示唆された.また水管理は根系分布に影響を及ぼすことから,栽培管理や品種特性に合わせた施肥割合・位置の設計などが収量性の安定に重要であることも示された.

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