根の研究
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施設野菜生産における根へのストレス緩和技術
中野 明正上原 洋一山内 章
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2001 年 10 巻 2 号 p. 59-63

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抄録
野菜生産において大きな問題である連作障害は, その要因の半数が土壌病害に由来するものと言われている. このような土壌病害発生の補因として, 土壌化学性の悪化が関係している. また, 施設野菜生産においては, 特に塩類集積が原因となる連作障害も認められている. このような連作障害を回避するために, 根圏を良好に維持する施肥手法の開発が求められている.
そこで, 最初に施設生産土壌における土壌ストレスを解析した. 次に, それに基づき質的もしくは量的な施肥制御を介した根系の適切な管理法を開発した. さらに, 施肥法の違いにより生じた根圏の変化を地上部の生産性と合わせて検討した.
本論文で取り上げた, 緩効性肥料を用いた栽培法と養液土耕栽培法は, 集約化する施設生産において根圏環境のストレスを制御する有効な方策と考えられた. また, これらの技術が根系を介してトマトの生産性に与える影響を明らかにすることにより, 今後の施肥技術開発の方向性の提示を試みた.
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