抄録
中国内蒙古自治区の阿拉善盟では, 砂漠化防止のためにさまざまな政策と技術導入が行われている. 植生が荒廃して砂漠化が進行した地域では, 過放牧の抑制と人工播種による緑化が試みられている. 人工播種は, 飛行機を用いて広大な面積に帯状に, 沙蒿 (Artemisia sphaerocephala), 花棒 (Hedysarum scoparium), 沙拐棗 (Calligonum mongolicum) の種子を散布する. 過放牧の抑制には放牧の代替となる産業の導入が必要であるが, 肉縦蓉 (Cistanche 属) など, 乾燥地特有の薬用植物の栽培化がその一策として期待されている. また, 賀蘭山においては, 高山特有の生態系を保持するために保護区が設けられている.