根の研究
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セイヨウワサビ毛状根からの不定芽分化におよぼす光シグナルと糖シグナルの関与
真野 佳博湯澤 宏恵渡辺 勝
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2005 年 14 巻 3 号 p. 79-84

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抄録

Agrobacterium rhizogenes ATCC 15834株の感染によって誘発したセイヨウワサビ (Armoracia rusticana) の毛状根を用いて, 植物ホルモン非存在下での根組織からの不定芽分化におよぼす光照射とショ糖濃度の影響について検討した. 毛状根の置床部を切除する培養方法を用いることによって, 不定芽分化におよぼす因子を解析した結果, ショ糖濃度1% (W/V) の場合, 明所では不定芽が分化し, 暗所では不定芽分化が誘導されなかった. また, 不定芽分化には, 3日間以上の長期にわたる光シグナルが必要であることがわかった. 一方, 3~10% (W/V) のショ糖濃度では, 明所のみならず暗所でも不定芽の分化が誘導された. 以上の結果から, 不定芽分化の誘導には光シグナルのみならず, 別の情報伝達経路として糖シグナルも関与していることがわかった.

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