昭和62年(1987年)に国内で発生した石油類貯蔵タンクの爆発火災3件の着火および爆発の原因について解析を行い,その予防対策を論じた.東京電力(株)大井火力発電所の原油と軽油の混合油の入って いた容量200klのコーンルーフ形貯蔵タンクの爆発火災,千歳基地のJP-4燃料を貯蔵していた容量300Oklの覆土式屋外タンクの爆発火災および帝石トッピング・プラント(株)頸城製油所の容量3000kl のコーンルーフ形原油貯蔵タンクの爆発火災は,いずれも気相大空間に可燃性混含気体が充満していたため,これにそれぞれ溶接作業,落雷および電気火花が関与して着火し,その結果爆発して火災に至ったものであることを明らかにした.最後に,石油貯蔵タンクでの気相大空問における可燃性混合気体の爆発を予防する種々の方策について議論した.