安全工学
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安全工学_2018_3
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
会告
安全への提言
総説
  • 向殿 政男, 荻原 博之
    2018 年 57 巻 3 号 p. 187-195
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
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    安全が転換点を迎えている.第四次産業革命の進展,グローバル化や少子高齢化といった社会構造の変化,働き方改革に象徴される価値観の変革といった潮流が,我々に新しい安全の在り方を要求し始めている.一方,足元では日本の労働災害は下げ止まり,一部の業種においては死亡災害が大幅に増加するなど深刻な事態に陥っている.こうした安全を取り巻く厳しい現実を前に,(一社)セーフティグローバル推進機構(IGSAP)は2016 年7 月に設立された.新しい時代の新しい安全の概念である「Safety 2.0」と,日本の未来安全を創造する「未来安全構想」を提案して,IGSAP は現在,日本の,そして世界の安全構築のために多くの国内外の安全関連機関等と連携し,さまざまな活動を展開している.本稿では,安全の最新状況を分析しながら,IGSAP の活動内容を報告する.

  • 島田 行恭
    2018 年 57 巻 3 号 p. 196-205
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    平成23 年以降,大手化学工場を含む事業場において,爆発・火災発事故などが多発している.これらの事故の背景要因に係る共通点として,事前に事故発生防止対策を検討し,実施するためのリスクアセスメント等の実施が不十分であることなどが指摘されている.一方,平成28 年6 月1 日より,労働安全衛生法第57 条第1 項の政令で定める物及び通知対象物に対するリスクアセスメントの実施が義務化された.本稿では,既存の化学物質の危険性に対するリスクアセスメント等実施手法やツールの特徴をまとめるとともに,義務化された化学物質のリスクアセスメントに対する事業場の取り組み状況と実施上の課題を整理する.さらに,化学物質の危険性に対するリスクアセスメントの的確な実施を促進するために,今後,取り組みが必要と考えることを提案する.

  • 増田 佳正
    2018 年 57 巻 3 号 p. 206-215
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    クラウド・ビッグデータ・デジタルIT の時代に向けて,デジタルIT の要素に適合するエンタープライズ・アーキテクチャーとリスクマネジメントの取り組みを説明し,デジタルIT システムに関わるリスクについて,グローバル企業の事例での検証をもとに,考察する.

論文
  • 木下 聡子・西村 秀和
    2018 年 57 巻 3 号 p. 216-227
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    本論文では,交通環境の安全を確保するため,自動運転車,および相互に関連する交通環境上の移動体に対し,法律にもとづく優先度を抽象的な約定として設定することを提案する.設定した優先度にしたがい,自動運転車が移動体に対して一貫性のある振る舞いをすることにより,デッドロックの発生を回避する.デッドロックは,移動体が交通事故を引き起こす,または緊急車両の目的の達成を阻む危険源となり得る.これらの危険源により,交通環境上で構成システムに危害が及び,安全が確保できなくなる可能性があるため,デッドロックの発生を回避すべきである.このため,自動運転車を導入した交通環境全体を,自動運転車を取り巻くSystem of Systems(SoS)とみなし,SoS の構成システムのペアごとに優先関係を設定し,優先度のランキングを算出する.

  • 高木 元也・呂   健, 庄司 卓郎, 惠羅 さとみ, 蟹澤 宏剛
    2018 年 57 巻 3 号 p. 228-236
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,建設業で働く外国人技能実習生を対象に,今後の増加の見通し,労働災害発生状況,外国人特有の労働安全衛生上の課題等を抽出するため,元請業者を対象とした実態調査を行った.その結果, ①ここ数年,大規模元請業者の建設現場を中心に躯体関連業種等で大幅に増加している,②元請業者が戦略的・主導的に活用を図れば今後,飛躍的に増加する可能性がある,③建設業で働く外国人技能実習生の休業4 日以上死傷災害の発生割合は建設業全体と比べ高い傾向にあり,外国人特有の労働災害リスクとして,日本語が十分に理解できない,慣習などの違いにより安全ルールを十分に守られないおそれがあるなどの指摘が多いなどが明らかとなった.

  • 清水  裕・中野  冠
    2018 年 57 巻 3 号 p. 237-245
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    国産のエネルギー資源に乏しい日本は,海外の資源に頼らざるをえない.エネルギー・セキュリティの面で,産油国から原油や天然ガスを輸入する際のシーレーン上のチョークポイントリスクは,欧米各国に比べて大きくて重要であるが,これまで十分な考慮がされていない.本稿では,エネルギー多様性指標を使用した資源集中リスク,およびカントリーリスクに加えて,チョークポイントリスクを加味したリスク指標を提案する.従来,エネルギーセキュリティを国別に比較をする際には,それぞれ異なった単位の指標を統合化する必要があるが,この提案する指標は,各国が抱える上記の3 つのリスクを,直接的に比較することができる.また応用例として,資源輸入相手国をリスクの少ない国にシフトした場合のエネルギーセキュリティ度の変化を,簡便に定量評価することが可能である.

技術ノート
資料
  • 今市 重道
    2018 年 57 巻 3 号 p. 251-255
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    安全データはその事業所の保安管理活動の質と成果を示す重要な指標ですが,単に各年度の実績を表にまとめ折れ線あるいは棒グラフで表示している事業所が多く見られます. 著者はこの表示の方法だけでは安全実績に影響する“安全活動の質”が見えず,分析が十分でないと考えており,重大な災害,軽微な災害,ヒヤリハット(HH)の発生比率を重大な災害を1 としてピラミッド状に表わした「安全のピラミッド」を活用することがその事業所の安全活動の質・傾向を知るために重要と考えています.著者が訪問した15 製造事業所の安全データ230 744 件を解析したところ,重大な災害,軽微な災害,HH の発生比率は平均的には1:6:2 020 になりました.事業所の安全実績を「安全のピラミッド」として表わすことで自らの安全活動の質を定量的に,客観的に評価する手法とその活用について紹介します.

  • 半田 安
    2018 年 57 巻 3 号 p. 256-263
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2018/06/15
    ジャーナル 認証あり

    化学プラントには様々な危険源が存在する.事故を防ぐには潜在する危険源を管理することが必要だ.しかし,どのような切り口で管理するかがポイントだ.化学プラントは設計に始まり,安全性評価をして本格的な運転へ移行する. 化学プラントの管理の中で重要なのは,化学物質の「物質危険性」,「人」と「設備」だ.今回は,「人」という切り口で教育・訓練に注目して管理という側面で失敗事例や教訓を紹介していきたい.

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