安全工学
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最新号
安全工学_2020_2
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会告
安全への提言
総説
  • 下平 博, 岩崎 哲嗣, 宮田 信郎, 本堂 直浩, 牧野 良次
    原稿種別: 総説
    2020 年 59 巻 2 号 p. 68-77
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

     国の施策である「スマート保安」について産官学を挙げて様々な取り組みが展開されている中,今回は化学プラントでの取り組み事例を取り上げた.

     産業界からは,AI 化実現のために必要な従事者各階層の役割,操業データの構造や課題を明らかにし,ゴールとして新たな知見の獲得とすべきとの提案がなされると共に,作業員の健康・安全を見守るシステムの稼働例が示された.また,海外事例として,IT 先進国のシンガポールではモータ健全性モニタリングシステム等の操業管理システム事例が紹介された.

     公的機関からは,災害情報センターが保有する事故情報データベースについて,検索結果を用いて既存プラントの安全性が再確認でき,AI への活用が提案された他,事故情報のAI 化に際しての約束事である辞書や教師データの検討例が示された.

     討議では,AI の活用には従来情報だけでなくアルゴリズムによる支援も必要であることや,AI 化に伴うリスクも想定すべき等の意見が挙げられ,参加者の理解が一層深まった.

  • 片山 佳子, 九々 健介, 伏脇 裕一
    原稿種別: 総説
    2020 年 59 巻 2 号 p. 78-82
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    わが国において調理材料や食文化としてなじみ深いかつお節について,その歴史,製造方法,種類と規格,成分と栄養価,健康効果と機能性,安全性などを解説した.一方,かつお節の製造過程で燻煙操作が行われており,その際,発がん性のあるベンゾ[a]ピレンが生成される問題が生じている.しかし,わが国においては,かつお節からの一日一人当たりのベンゾ[a]ピレン摂取量は,ごく微量であるために,結果的には日常生活においてかつお節を摂取る際,発がん性リスクのことは考慮する必要がないものと考えられる.

論文
  • 鈴木 大輔, 鈴木 綾子, 嶋野 景子, 清田 一貴, 柿崎 豊
    2020 年 59 巻 2 号 p. 83-91
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    駅での停車に関わるエラーを経験した運転士と経験していない模範的な運転士の運転操縦を比較し,エラーを経験した運転士の停車直前の運転操縦の特徴を明らかにすることを目的とした.鉄道事業者の運転士156 名を対象に,実際の列車に搭載された運転情報記録装置から収集された2 ヶ月分のデータ,34 687 回の駅停車について分析した.評価指標は駅停車毎の停車5 秒前速度,停車前5 秒間のブレーキノッチ移動回数,停車前5 秒間の追加ブレーキ量とした.運転士毎の各評価指標の平均値や標準偏差を比較した結果,エラーを経験した運転士の特徴として,運転士個人内でブレーキ操作や走行速度のばらつきが大きいこと,ブレーキ操作や走行速度の分布からの外れ値が多いこと,普段から追加ブレーキを使用することが多いことがわかった.

  • 金 奉賛, 小柴 佑介, 大谷 英雄
    2020 年 59 巻 2 号 p. 92-102
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は化学プラントで発生した有毒ガス漏えい事故時における周辺住民の避難意思に影響を及ぼす要因を明らかにすることである.川崎区地域住民を対象に質問紙調査(n=784)を実施し,探索的因子分析及び重回帰分析を行った.探索的因子分析から5 つの因子(環境状況,知識,有毒ガス恐怖感,化学工場恐怖感,主観的規範)を抽出できた.下位尺度間相関分析により知識因子は有毒ガス恐怖感因子のみと相関することを明らかにした.重回帰分析の結果,避難意思は3 つの因子(環境情報,主観的規範,有毒ガス恐怖感),行政の避難判断への信頼度,避難に関する面倒さ,子供の有無,年齢,要補助人の有無にも影響されることを見出した.得られた知見は漏えい事故時の避難意思を予測する基礎データとして活用できる.

資料
  • 嶋田 博之
    2020 年 59 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    本稿は,平成29 年1 月22 日に発生した製油所火災により住民に避難指示を発した影響等について紹介するものである.

  • 荒井 保和
    2020 年 59 巻 2 号 p. 108-113
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    前報では気づいた事象にどう向き合うか,それにどう対処していくかを,主として気づいた者の立場から論じるとともに,気づきの種類により,対処法にも違いがあることを述べてきた.今回は発信された気づきをどう受け止めるか,そしてその気づきに対する各自の思いを,どのように現場として実効ある形で纏め上げ,安全性の向上に資するかを主体に整理した.そこで集約された要点は,各人の持つべき様々な勇気,そしてそれを支える心がけ,信頼感,コミュニケーション,自ら考えるという自律の姿勢であった.そして結局,これら人の心にある思いと,習慣となっている行動や考え方こそが,安全文化の具体的形容であることを改めて確認することとなった.

  • ―第5講 三元観にもとづく福島原子力事故の原因究明―
    杉本 泰治, 福田 隆文, 佐藤 国仁, 森山 哲
    2020 年 59 巻 2 号 p. 114-122
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    安全神話は,原子力安全への国民の信頼をつなぎとめる努力だった.福島原子力事故が起き,国民の信頼を再構築する道を探ると,本報の新たな観点から見えてくるのは,規制行政のあり方の学問に空白があること,合理的なルールの不明が規制の迷走となって,当事者の注意を妨げたこと,その上,技術者の努力が安全確保のとりで(砦)となるところ,技術者と経営層の関係においてそれが機能せず,津波による電源喪失により原子炉の制御不能となり事故は起きた.対策の一方は,規制行政に関する学問が,国民の理解と支援を得て前進すること,他方は,信頼の担い手は,規制側と被規制側の双方であり,経営者と技術者の間の相反問題の解決手続きの定型の確立とともに,経営者と技術者が「活性化されたモラルの意識」を共有し,共同のコミットメントがなされるようになるとよい.

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