1996 年 35 巻 6 号 p. 417-424
1992年に開かれた国連環境開発会議(地球サミット)のアジェンダ21をもとに,化学物質の環境安全管理制度が国際的に大きく動き出している.特に,OECDの環境汚染物質排出・移動登録(1)RTR)およびISOの環境管理や環境監査では,事業者が多数の有害化学物質の環境安全管理を自主的に行い,その状況を第3者が評価する制度を求めている.日本が国際社会の中で信頼を得るためには,これらの制度を適切に導入し,定着させることが不可欠である.また,先進的な自治体や企業では,すでに多数の有害化学物質の自主的な管理を進めている.本稿では,これらの動きを整理して紹介し,今後の方向を示した.