原子力発電所の安全性と経済性をバランス良く向上するため米国では原子力発電所の設計,建設および維持管理に確率論を利用したリスクベース技術の研究が開始された.この背景には約40年の運転実績により,損傷モードおよび割れ進展速度等の評価が精度良く行えるようになってきたことが挙げられる.米国機械学会では規格・基準の見直しを開始するため1991年にリスクベース研究会を発足し,1998年よりサンプルプラントヘサンプル適用を行い,現状の安全性を確保した状態で溶接線の検査量を現在の1/15,動的機器の試験を1/3に低減できることがわかった.この結果を受け,1998年より規 格・基準の改訂を開始した.今回のDesignbyAnalysisからDesignbyRiskBaseへの改革は,約30 年前のDesign by RuleからDesign by Analysisに相当する大きな改革となっている.