2000 年 39 巻 3 号 p. 173-178
プロセスプラントに備えられている安全計装システムは,プラントのリスクを社会的許容水準にまで低減するための一っの手段として重要な役割を担っている.昨年成立した国際規格IEC61508では,その役割と機能を明確に規定しており,安全性が定量的に証明できることを求めている。欧米を中心に普及している安全計装システムは,この国際規格を念頭において設計されてきたので,この新しい規格に対しても事実上適合している.これらの安全計装システムはきわめてまれな作動要求時にも確実に働くために,通常の制御機器とは異なった観点で万全の自己診断をつねに実行しており,故障が潜在する確率をきわめて小さくしている.日本においてもプラントの安全をさらに向上させる手段として期待される.