安全工学
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小規模耐火建築物の火災実験結果
森尻 宏
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2003 年 42 巻 3 号 p. 172-177

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抄録

平成13年9月1日深夜,新宿区歌舞伎町で発生した火災は,地下2階,地上5階建て,延べ面積 516m2という小規模な建物からの出火でありながら,44名もの尊い命を失う大惨事となった. 東京消防庁ではこのような悲劇が二度と繰り返されることのないよう,火災発生後・階段廊下クリーンキャンペーン,緊急査察等,さまざまな業務を実施した.消防科学研究所では火災実験を実施することで,小規模耐火建築物の持っ潜在的危険1生,人為的危険性を具体的に明らかにすべく,火災発生から2か月後には独立行政法人消防研究所の協力を得て,小規模の実験用建物を使用して火災実験を実施した。これらの結果を基に研究計画を練り,庁内における検討会,学識経験者の専門的意見を参考に実験計画を作成し,取り壊し予定の都営住宅を改造して実大規模の火災実験を実施した. 本稿ではその概要について紹介する.

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© 2003 特定非営利活動法人 安全工学会
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