2006 年 45 巻 5 号 p. 296-303
工業製品の生産に使用されている機械設備の安全に関しては,体系化された国際標準の体系が構築されている.ISO 12100 を頂点するこの規格体系では,リスクアセスメントをベースとして,機械により安全性を確保することを基本とする考え方が貫かれており,機械安全を進めるうえでの国際的な共通認識になっている.ヨーロッパをはじめとして,国際市場における機械製品の流通の際には,機械安全国際標準への対応が,今まで以上に強く求められるようになっていくと考えられる. 日本でも労働安全衛生法の改正により,2006 年4 月から機械設備に対するリスクアセスメントが努力義務とされ,それを実施するための厚生労働省の指針には,この国際機械安全標準の考え方が取り入れられている.機械安全国際標準への対応は,産業事故を減少させると同時に,国際的な産業競争力の維持につながるものである.確実に効果的に効率よく対応していくため,規格の体系と,その背景について考察する.