tert─ブチルエチルエーテル(ETBE)の熱的危険性評価の基礎的研究として, ETBE 単体およびETBE に酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)を添加した試料の熱的挙動を加速速度熱量計(ARC)により観察した.その結果,少なくとも0.6 MPa以上の酸素加圧下において,ETBEは100 ℃以下の比較的低温で酸化により発熱した.ETBE の発熱開始温度は,ジメチルエーテルおよびtert─ブチルメチルエーテルよりも低く,ジエチルエーテルとほぼ同じであった.また,1 MPa 酸素加圧下において,Fe2O3 と共存した場合は,ETBE の酸化反応は著しく促進され,50 ℃程度で発熱を開始した.