安全工学
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論文
過酸化水素の危険性評価における容器材質の影響
江藤 功秋吉美也子・岡田  賢・松永 猛裕
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2008 年 47 巻 5 号 p. 290-296

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抄録

熱分析(DSC),ならびに2 種類の断熱熱量計(ARC,RADEX)について,試料容器の材質が過酸化水素の分解反応に及ぼす影響を検討した.実験には種々の金属容器(チタン,ハステロイ,ステンレス鋼,純金,金メッキ),およびガラス容器を使用した.また,不活性物質によるコーティング容器(テフロン,ガラス)を試作し,実験に使用した.種々の測定で,発熱開始(検知)温度,誘導期等の観点から測定結果を比較し,容器材質の影響について考察した.すべての実験で,金属材質は過酸化水素の分解反応に影響を及ぼした.特に顕著なのはチタン,金メッキ容器であった.ガラス容器を用いた分析(DSC ガラスキャピラリーセル,RADEX)やテフロンコーティングを施した容器は,容器材質の影響に対して有効であることがわかった.

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© 2008 特定非営利活動法人 安全工学会
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