安全工学
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安全教育への取組み特集
高齢者の認知特性を考慮した運転者教
三井 達郎・岡村 和子
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2008 年 47 巻 6 号 p. 369-377

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抄録

平成21 年の6 月から75 歳以上の高齢者には運転免許更新前に認知機能検査を受けることが義務づけら れる.この制度の開始により個々の高齢者の認知特性に応じた運転者教育が実施されることになる.このような教育を効果的に推進するためには,認知機能が低下した高齢者が自動車を運転する際に具体的にどのような問題点があるかを明らかにしておく必要がある.本稿では,最初に,わが国の高齢者に対する運転者教育の概要を運転免許更新時の高齢者講習を中心に紹介する.認知機能検査はこの高齢者講習の一環として行われる予定である.つぎに,科学警察研究所が実施した高齢者の認知機能が自動車の運転に及ぼす影響に関する研究について概説する.この研究は,新しく作成した安全運転診断法を用いて高齢者の認知機能と運転特性の関連性を検討することをねらいとしている.

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© 2008 特定非営利活動法人 安全工学会
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