安全工学
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安全/環境関連国際規格特集
IEC 62061 機械の機能安全規格の概
福田 隆文
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 48 巻 6 号 p. 379-384

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抄録

機械の安全関連系に関する規格であるIEC 62061 はIEC 61508 の傘下規格として制定された.その背景には,機械類の制御にPLC など電子技術とソフトウェアを用いた機器が使われるようになったことがある.一方,機械類の安全制御部の規格としてすでにISO 13849 があった.そこで両規格の機械安全規格体系での位置付け,適用推奨案を確認したうえで,本規格の内容の概説を行った.IEC 62061 は機能安全の考え方をベースにしており,検知できない危険側故障の1 時間当たりの発生確率(PFHD)を基準に安全インテグリティレベル(SIL)を定めていることを述べ,その計算の基礎を示した.また,IEC/TR 62061─ 1/Ed.1 に例示のPFHD 推算結果を紹介した.両規格に従って1 時間当たりの危険側故障確率を求めると結果に差異が出る.また,SIL はPFHD をもとにしているので,故障率データベースの構築が必要である.

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© 2009 特定非営利活動法人 安全工学会
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