洋水 環境基準達成率の低いPM2.5 の対策検討において,大気質モデルは有用なツールとなる.大気質モデルのPM2.5 予測性能を向上のため,改善策を検討した. まず,大気質モデルで通年計算を実施し,粒子状硝酸塩濃度を過大に,有機粒子濃度を過小に予測し,それらが相殺されてPM2.5 濃度の再現性が見かけ上,良好になることを確認した. 次に,粒子状硝酸塩濃度について検討し,施肥の時期を考慮したアンモニア排出量の採用やガス成分の乾性沈着速度の抑制で再現性が高まることを示した.また,これまで未把握の半揮発性有機化合物と凝縮性ダストの排出量を考慮することで,有機粒子濃度の再現性が大幅に改善されることを示した. 以上の事項に重点的に取り組むことで,大気質モデルのPM2.5 予測性能が改善されることが期待された.