安全工学
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次世代エネルギーの現状と安全性 特集
太陽光発電システムの現状と危険性,無加害原則の提唱
吉富 政宣
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2014 年 53 巻 6 号 p. 445-454

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抄録

太陽光発電システム(PVS)には,陽が当たる限り発電を止めることが出来ない性質があり,火災時には消防隊員が感電する恐れから消火活動が困難になることがある.また,PVS は屋外に設置されているため,風・雪・地震と言った自然の作用による構造事故も引き起こしてきた.このようにPVS の危害は火災と構造事故とに二大別1)できる.PVS を健全なエネルギー源に成長させるためには,少なくとも個人財産保護の観点からこれらリスクを許容可能なレベルにまで低減する必要がある.そこでこれまで期待総費用最小化原理が提唱されてきた.しかし,火災・構造事故には期待利益の無い第三者を一方的に加害する恐れがある.そこで本稿では,公衆安全優先のための無加害原則を提唱する.この無加害原則は,期待総費用最小化原理に優先させる必要があると考える.

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© 2014 特定非営利活動法人 安全工学会
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