2015 年 54 巻 6 号 p. 464-468
従来のセキュリティ分野では,工学的な観点から安全とされる手法を応用したシステムやサービスを提供すれば,利用者は安心するという仮定の下,研究開発が進められてきた.本研究では,この仮定に疑問を呈し,セキュリティ技術に対する安心感の要因や構造を明らかにしてきた.一方,昨今,セキュリティ技術の使い勝手(ユーザビリティ)についても着目され始めた.それに伴い,情報機器における操作上の不快感を利用した警報インタフェースの研究も進めてきた.本稿では,「安心」の要因に関する研究や不快なインタフェースの研究を紹介する.