2001 年の米国同時多発テロ以降,大きな変化を続ける航空保安.まずはその変遷をいくつかのエピソードを紹介しながら少し振り返ってみたい. 2001 年以降しばらく続いた「混乱期」.そしてその後の「国際協調期」.そして今,航空保安は「国際協調」から「各国の文化や経済を加味した対応を考えるべき新たなフェーズ」に来ているのではないか. そこで我々は日本の文化の特殊性に向き合いながら,その中でセキュリティをどう位置付けていくかという問題に日々取り組んでいる.成田空港におけるチャレンジを紹介しながらこれからの航空保安のあり方について考えてみたい.