安全工学
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高齢者交通リスクの現状と支援策 小特集
高齢歩行者の交通事故リスクと安全教育の必要性
北村 憲康
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2017 年 56 巻 3 号 p. 173-179

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抄録

交通死亡事故では,高齢歩行者が被害者となる比率が年々上昇している.特に高齢歩行者が横断中のものが多く,事故防止ではドライバーによる歩行者保護を心掛けた運転は不可欠だが,それだけではなく,高齢歩行者が十分な安全確認をした上での横断も求められる.一方で,死亡事故の分析を通じて,高齢歩行者の横断行動のリスクは一定程度の把握をすることができる.内容では,まず,高齢歩行者の死亡事故につながるリスクを示し,次に,それらのリスクを高齢者の横断行動毎に定量化したモデルを示す.対策では高齢歩行者及びドライバー双方への安全教育の必要性を述べた上で,高齢歩行者のリスクとそれらを定量化したモデルによる教育の方法をまとめる.また事例を交え,警察,企業などの単体ではなく,市民が一体となって社会活動の一環として取り組むことの重要性も述べる.

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© 2017 特定非営利活動法人 安全工学会
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