2021 年 60 巻 6 号 p. 487-495
事業所のトップは製造現場の安全文化までは詳しくわかっていません.しかし,トラブルや労災等があり積極関与することで初めて見えてくることがあります.課題解決の際に自分の経験を押し付けるのではなく,現場に自分事として意識させ考えさせながら,結果的に成功体験をさせることで,人材はゆっくりであるが大きく確実に育ちます. コミュニケーションは一方向からのアプローチではだめで,お互いがその「場」を一緒に作り上げることが大切です.トップは言いやすい環境を積極的に作ること,そして行動の前に感謝,寛容,敬意,傾聴,配慮を意識することで,起こした行動が人間関係を想像以上に良化させる潤滑油の働きをすることになります.